■令和ロマンってなんなんだ

編集S 1番手、いきなり令和ロマンでしたけど、どう思いました?

新越谷 ああ、来年だなと思いました。今年はごめんなさい、盛り上げ役になったね、と。

編集S まあそうですよね。ネタのほうは?

新越谷 まず、うんまいよねえと思いますよね。くるまが漫才しながらずっとお客さんの反応に合わせてる感じがするんですよね。お客さんを笑わせるのが目的なわけだから、当たり前なんだけど、ただやってない感じ。

編集S どこからくるんでしょうかね。その感じ。

新越谷 紹介のところで「2人にとって、令和ロマンとは『他人事』」ってあったでしょう。あれ、よく意味がわからなかったんですけど、常に俯瞰で漫才してる感じがする。自分と、ケムリと、客席という三角形をずっと見てる、その中で瞬間瞬間に判断を繰り返してるというか。くるまってよく分析とか披露してますけど、ほかの芸人に対する批評と同じ目線で、令和ロマンっていうコンビをちゃんと批評的に見てるんだと思うんです。人間くるまと漫才師くるまに乖離があるというか。

編集S よく漫才は人間が出るっていうじゃないですか。人間を出したほうが勝つとか。そういう意味では、例えば去年の井口とは全然違うタイプですよね。

新越谷 そう。あの人間が生まれ落ちて育まれた魂が乗ってる感じはしない。かと言って、別の人格が憑依してるというのとも違う。なんだろう、コピーロボット的というか……。

編集S うまく説明してくださいよ。ライターなんだから。