ずっと、こんな敗者復活戦を待っていたのかもしれない。2015年に『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)が復活して以降、敗者復活戦は一般視聴者投票に結果が委ねられてきた。年々、予選の審査にガチ感が増していく中、敗者復活戦だけは視聴者も芸人も、完全に納得できる結果を得られなかった。

 理不尽に蹴られた芸人も、不可解な通過を果たした芸人も、みんな少しずつ不幸だった。視聴者投票は、視聴者をテレビの前に釘付けにできる。『M-1』があくまで競技ではなく年末のテレビバラエティである限り、そこは受け入れられるべきだとあきらめてきた。

 マヂカルラブリーの野田クリスタルが、このところ方々で口にしている言葉がある。「M-1が、テレビより強くなった」。つまりは商売よりも、理念が優先されるようになってきたということだ。その結果なのだろう、いよいよ敗者復活戦も公平を求めて、大幅なルール変更を迎えた。

 24日午後、東京・西新宿の屋内ステージで新しい敗者復活戦が幕を開けた。