続いて、洋食屋ではクリスマスディナーのメインディッシュに、ゆで卵やらハンバーグやらナポリタンやら、お弁当の具とおにぎりが供されることになりました。シェフの大沢たかおいわく、「ずっと作り続けてきたのが、お弁当だから」とのこと。いや、知らんよ。それは仕事じゃないだろ。
しかも、ソムリエールは提供の直前まで料理の内容を知らされず、当然、ワインを選ぶこともできず、単なる給仕となる。
完全にシェフのひとりよがりですが、客は喜んで帰る。ドラマは「別に何をやっても、客が喜んでるんだからいいだろ」とでも言いたげに、この暴挙を擁護して見せる。
まあ、最終回の前半はそんな感じです。到底、ドラマを楽しもうとして見ていたら納得できる展開ではないけれど、そのへんは前回までで総括したので、置いておきます。
残りの後半で、期待したんです。このドラマはクリスマスイブを描いたドラマですから、このドラマならではの「クリスマスイブの奇跡」というやつを用意しているんじゃないか。これだけあちこちからモチーフを引っ張ってきた作品ですから、クリスマスであることにも当然、何か仕掛けがあるんじゃないかと。例えば、そうですねえ、『東京ゴッドファーザーズ』(03)で吹いた強烈なビル風とか、うーん、ほかにすぐには思い浮かばないけど、そういう類のね、人知を超えたロマンチックというものが起こる夜、というより、ドラマなんだから、ロマンチックを起こさなきゃいけない夜だと思うんですよね。
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