近年のフジテレビは本業の放送事業が不振続きだが、その一方で映画事業は好調だ。今年は、菅田将暉主演の月9ドラマを映画化した『ミステリと言う勿れ』が9月15日の公開から42日間で観客動員数300万人、興行収入41億円を突破する大ヒットに。製作委員会の中心となった『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』も、前後編2部作で観客動員数375万人、興行収入50億円を超える人気作となった。また、昨年12月に往年の人気ドラマの完結編として公開された『Dr.コトー診療所』も興行収入24億円超で予想を上回るヒットとなっている。

 フジテレビでは、かつて織田裕二が主演した『踊る大捜査線』がドラマのヒットを受けて映画シリーズ化され、同局に莫大な利益をもたらした。『翔んで埼玉』がそれに匹敵するシリーズになれるかどうかは不明だが、それ以外にも映画事業でヒットを連発している状況を見ると、凋落が止まらないフジテレビにとって「映画は唯一の希望」ともいえる。

 ちなみに、完結したとみられていた『踊る大捜査線』シリーズも続編映画の製作が決定したと一部で報じられ、早ければ来年2月にクランクインし、2025年に公開される予定だと伝えられており、再始動する可能性が高まっているようだ。放送事業の不振は今後も続きそうだが、活気づく映画事業を軸にフジテレビは巻き返しを図ることができるだろうか。