「トゥルーマン・ショーです、オレ、全部メディアで発表してるからな。みんなに見てもらってるっていう」

 出産報告がおおむね終わった後、せいやはそうつぶやいた。喜びも苦しみも、ラジオとともにあった。「原曲キー」回から3年、せいやのピン稼働の数は粗品を優に超える。もう霜降り明星のコンビバランスに違和感を唱える者はいない。

 せいやの第1子の誕生日は、粗品の父親の命日でもあるのだという。

「最低の日やで、12月8日、俺にとって。でも、ええ日になったから、ありがとうやわ」

 奇跡としか、縁としか言いようがない巡り合わせ。相方にこんなプレゼントができる芸人がいるだろうか。霜降り明星以外に、こんなコンビ関係ってあるのだろうか。

(文=新越谷ノリヲ)