「安心感重視で持ち家」「身軽さ重視で賃貸」どちらも正解

ここで挙げた費用例では、賃貸派の方が若干金銭的な負担が重い結果になっています。ただ、どんな家を選ぶか、どんなローンの組み方にするか、何年住み続けるかによっても結果は大きく変わってきます。自分の希望に合う家を実際に想定してシミュレーションしてみてもよいでしょう。

ただ、持ち家か賃貸かの判断基準は金銭面だけではありません。家にどんなことを求めているのか、老後はどんな暮らし方が理想かなどその人の価値観にも大きく左右されます。

持ち家が向いている人

・「年金が少ない」「退職金がない」など老後のお金が心配な人
・「自由にDIYを楽しみたい」「たくさんのペットたちと暮らしたい」など賃貸では理想の暮らしが実現しにくい人

賃貸が向いている人

・ときどき引っ越して気分を変えたい人
・転勤、転職、海外留学の可能性など今後の人生に不確定要素が多い人

費用面以外も考慮して、自分の納得いく方を選ぼう

賃貸と持ち家、どちらにも長所と短所があります。費用面は、先述のとおりさまざまな要素で左右されるためどちらがお得かは一概には言えません。

逆に言えば、費用面はいくらでも工夫できるため、まずは「もし費用がまったく同じだったらどちらの暮らしを選びたいか」をじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。そこから、自分が選んだ方が正解になるように、家やローンの選び方などを逆算していくのも1つの方法です。

文・ばばえりFP事務所代表)
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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