年収700万円というと、安定した生活が送れていると思われる金額かもしれません。年収は基本的には税込み金額としている場合が多く、手取り金額は考えているよりも少ない場合も。また年収が世間よりも少し高めなことで、ちょっと背伸びをした生活をしてしまう人もいるようです。そこで今回は、年収700万円のリスクや理想の家計簿について紹介していきます。

年収700万円とはどんなポジションなのか? 

(写真=PIXTA)

日本では年収700万円がどういったポジションとなるのかをまずは押さえてきましょう。

日本の平均年収は約441万円

国税局が行った平成30年分民間給与実態統計調査結果によると、男女を合わせた平均給与は約441万円。男性は約545万円、女性は約293万円となっています。これを見ると、年収700万円は日本の中では平均以上の収入があることがわかりますね。

年収700万円とはどのくらいの割合いるのか?

厚生労働省の平成30年国民生活基礎調査の概況を確認すると、年収700万円から800万円という家庭は全体の5.9%いることになります。年収800万円以上の家庭は20.9%。年収700万円以上というのは、年収金額上位26.8%の中に入るのです。

年収700万円の手取り金額 

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年収700万円といっても、そこから所得税や住民税などの税金が引かれ、実際の手取り金額は変わります。年収から手取り金額をざっくり計算する方法は、年収×0.75~0.85。これを年収700万円に当てはめると、手取り年収は525万円から595万円くらいになるでしょう。

それを12カ月で割ると、1カ月の給与は約437,500円から496,000円。配偶者がいるか、子どもがいるかなどで控除額が変わってきますが、だいたいの金額が把握できるでしょう。

背伸びの生活をしてしまうターニングポイント 

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これまでのことを総合すると、年収700万円というのは比較的お金に恵まれた中流家庭といえます。でもある程度の収入があるからこそ陥りやすい、背伸びの生活というのがあるのです。

ボーナスをあてにして買い物をする

ボーナスがある企業であれば、「今度のボーナスで支払えば良いか」とクレジットカードでボーナス払いを選択することも。

しっかり計画を立ててクレジットカード払いをすればなんの問題もありませんが、無計画だと支払いのときに「これもボーナス払いだったのか」と支払いが多くなってしまうこともあります。そうするとまとまった金額を貯金する機会を逃し、貯金額が伸び悩んでしまうでしょう。

オーガニックのものなど食材にこだわりたい

収入があるからこそ、「ほかの人よりもちょっと良い生活がしたい」という思いが生まれることもあります。年収が多くなければ食費や生活費を減らそうと考え、スーパーなどでは安い食材を選ぶようになるでしょう。

しかしちょっと良い生活がしたいと思えば、オーガニックのものや高級食材などにこだわって購入することもあります。結果支出が増え、手元にお金が残りにくくなるのです。

ブランドのものを持ちたい

付き合う人も、会社の同僚やその友人など年収が同じくらいという場合が多くあるでしょう。そういった人たちとの付き合いで背伸びをした生活水準になったり、「周りの人よりも良いものを持ちたい」などとブランドものばかりが欲しくなったり。服やバッグなどで出費が増えてしまうことがあります。

年収700万円でも貯金がなかなかできない理由 

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背伸びの生活をしていなくても貯金がなかなかできないという理由もあります。どういった場合があるのかチェックしていきましょう。

子どもの教育費がかかる

子どもがいる家庭であれば、「良い教育を受けさせたい」という気持ちから有名私立校に通わせたいと考えることもあります。有名私立校に通わせるのであれば学費がかかり、受験のために塾通いが必要となることも。

有名私立校でなくても「子どもがやりたいという習い事はすべてさせてあげたい」という思いから、習い事費用がかさむこともあります。

家の購入のため住宅ローンを組む

住宅購入を考えたときに現金一括で購入する人は少なく、住宅ローンを組む人がほとんどです。住宅ローンの多くが35年ローンで、完済時が80歳までとなっています。そのため住宅ローンを組む限界年齢は45歳くらいが目安となるでしょう。

住宅購入のときに頭金を入れるなど、高額支出により貯金が大幅に減ることも。また子どもがいる場合は教育費がかさむ時期と重なりダブルで支出が増えてしまうので要注意です。

自由気ままに生活する

独身の場合、自分の好きなように生活するために貯金をしていないという人もいます。自由気ままに生活するのも素敵なことですが、万一病気やケガをしたときなど突発的にまとまった金額が必要になる場合もあることを頭に入れておきましょう。

年収700万円での理想の家計割合

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家族構成によって理想の家計割合は違いますが、ここでは年収700万円独身世帯の理想の家計割合を紹介していきます。

毎月の手取り金額は、冒頭で紹介した437,500円とします。住居費は収入の30%といわれるので、上限として約13万円が目安です。食費は住居費の半分くらいで65,000円ほど。光熱費を手取り金額の5%とすると、約21,000円です。貯金額は手取り金額の10%~20%以上が理想的なので、43,750円から87,500円。残りの金額を保険や趣味、車など必要なものに割り振っていくと良いでしょう。

またこれらはだいたいの目安なので、もっと節約して貯金を多くするのも良いですね。

年収700万円は豊かな生活ができるものの計画性が大切

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年収700万円という世帯は、平均年収よりも金額が多く豊かな生活が送れる可能性が高いでしょう。でも無計画に支出ばかりしていると、「まったく貯金ができていなかった」ということもあります。あとになって困らないように、手取り金額から必要な経費を割り振って計画性を持つと良いでしょう。

文・山村望愛

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