賃貸か持ち家か、これは議論が尽きない問題です。それぞれメリットやデメリットがあり、負担する費用も違います。老後の暮らしを考えたとき、どちらを選ぶべきなのでしょうか。

「持ち家」のメリット・デメリットと費用

まずは「持ち家」という選択肢について見てみましょう。

メリット

持ち家の場合、住宅ローンの支払いはありますが、返済がすべて終わってしまえば負担はグッと少なくなります。一生住み続けることもできますし、子どもに遺してあげることもできます。売却もリフォームも自由にできる点もメリットです。

デメリット

ただ、持ち家は契約時の手数料や金利の負担もありますし、ローン完済まで数十年かかる場合もあります。老後も返済が終わらず苦労する方も。完済後も、傷んだ箇所を直すための修繕費や税金、マンションならそれに加えて管理費や駐車場代などの費用はずっと支払い続けることになります。

費用

例:4,000万円のマンションを購入
・頭金200万円+購入時諸費用300万円
・住宅ローン3800万円+金利700万円(35年分)
・管理費と修繕積立金:月2万円×12ヵ月×50年(住む年数)
・固定資産税と都市計画税:年20万円×50年(住む年数)
⇒合計7,200万円

「賃貸」のメリット・デメリットと費用

続いて、「賃貸」も見てみましょう。

メリット

賃貸のメリットは、住宅ローンの負担を感じることなく、生活環境の変化などにあわせて柔軟に対応しやすい点です。年金生活で収入が減ることがわかっているなら、その収入で問題なく済める家を探して引っ越すなどの対策も可能です。

持ち家のように「家が売れない」「子どもたちが都会に出て戻ってこないので、いずれ空き家になって負担をかけてしまう」といった心配もせずに済みます。

デメリット

一方、賃貸は一生家賃を支払い続ける必要がある点がデメリットです。基本的に、住宅ローンを支払い終わった持ち家派の人と比べて費用負担が重くなるため、老後に年金収入だけで暮らしていくことになったときに、生活を圧迫される可能性もあります。場合によっては更新料や敷金・礼金なども負担します。

費用

例:家賃12万円のマンションを借りる
・敷金・礼金30万円+契約時諸費用30万円
・12万円(賃料+共益費)×12ヵ月×50年(住む年数)
・更新料12万円×25回
⇒7,560万円