これまで、同年の両賞を獲得しているのは、昨年のファイナリストであるカベポスターのみ。おそらくはダブルヒガシ本人も、今年は可能性を感じていたに違いない。

「(準々決勝敗退が)7年連続やで……」

 今年から『M-1』の公式YouTubeで公開されている【M-1 ワイルドカードへの意気込み】という動画で、準々決勝敗退直後のダブルヒガシ・大東翔生が絶望感たっぷりにつぶやいていた。その隣で、東良介はヤケクソになって「みんなでM-1盛り上げようぜ!」とわめいていた。

 過去、ワイルドカードからファイナルに勝ち進んだ漫才師はひとりもいない。ダブルヒガシ、史上初の快挙へ──その勝ち筋が見えてきた。

(文=新越谷ノリヲ)