テレビ界には20年、30年と続く長寿番組がいくつも存在するが、BSで先ごろ20周年を迎えたのが、知る人ぞ知るBS-TBSの人気番組『吉田類の酒場放浪記』。タイトルに偽りなく、吉田類という男性が“居酒屋で酒を飲むだけ”の番組だ。

「『酒場放浪記』はBS放送がほとんど普及していなかった2003年にスタート。2021年には放送が1000回を超えて、訪ねた居酒屋も1000軒を突破し、2010年からは大晦日の年越し番組も放送されています。特筆すべきは、番組のフォーマットがスタート時からまったく変わっていないこと。通常の制作現場なら、番組が長寿化すると細かいマイナーチェンジをしたり、余計なテコ入れをしてしまうものですが、酒場放浪記はオープニングで吉田類が登場する場面から、エンディングで静かに立ち去る場面まで、BGMやナレーションなども含め、変化は基本的には一切ありません。極力無駄を廃してシンプルな構成にしたことが、長続きしている大きな要因でしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)