細田守監督のアニメ作品の特徴
続いては、細田守監督の作品が持つ大きな特徴について見ていきたいと思います。どんな監督・スタジオの作品にもそれぞれが持つ特徴や強みなどがありますが、細田監督率いるスタジオ地図の作品には一体どのような特色が見られるのでしょうか。
細田守監督作品の特徴①入道雲が必ず登場
細田監督の名を全国に知らしめるきっかけともなった作品「時をかける少女」から始まり、「サマーウォーズ」や「おおかみこどもの雨と雪」でも印象的に描かれているのが、入道雲です。細田監督作品の多くが夏に公開されていることと重なり、多くのシーンでこの入道雲の描写が見受けられます。
この入道雲は映画に登場する主人公たちの成長を表していると言われており、モクモクと膨らんでいく様子をキャラクターたちの成長物語に当てはめているようです。
細田守監督作品の特徴②人物に影がない
2つ目の特徴は、映画の中に登場する人物たちに影が描かれていないという点です。こちらは一見、「どういう意味?」と思われるかもしれませんが、実際に細田監督作品を見返してみると本当にキャラクターたちに影がないのです。
人物以外、建物やものなどにはしっかり影が描かれているものの、どの作品もキャラクターに対してのみ影がついていません。
近年のアニメーションの多くはジブリ作品を始め、どれもリアリティのある写実的な描写で作られていることがほとんど。そんな中細田監督作品では人物たちに影をつけない、浮世絵のような手法でアニメーションが作られています。
この手法には映画の中に登場する人物たちをキャラクター化し、見ている人々がより物語世界に感情移入しやすくするという効果があるようです。
細田守監督作品の特徴③リアリティさを追求
3つ目の特徴は、映画におけるリアリティーです。細田監督作品の魅力のうちの一つとして、このリアリティーさを上げることができるのは細部にまでこだわった描写が多く見受けられるからでしょう。
実在する場所や建物、看板などを背景に写実的な描写へこだわる様子は映画の端々から伝わってきます。映画を見ていると見覚えのある場所がたくさん出てくるので、見ている人々はより物語の中に入り込んでしまいます。