◆母との初めての顔合わせで

 その後、涼太さんは無事に退院。しかし、会社は諸事情でクビに。無職になってしまった涼太さんですが、「俺、咲のお母さんと会いたい」と言ってきたそうです。

「無職になったタイミングで?とは驚いたものの、悪い気はしませんでした。母には『今は事情があって無職だけど、それまでは一緒に働いてきた人だから』と、涼太のことを説明しました」

 咲さんのお母さんは3人で会うことを承諾し、3人で、レストランに行くことになりました。しかし、咲さんのお母さんは、煙草がとても苦手で、副流煙でも激しく咳き込んでしまう人でした。

「母は煙草の煙がどうしても無理なことは、事前に涼太に伝えていました。涼太は、最初のうちは煙草を我慢してくれていたのですが、ほんの10分もしないうちにソワソワしだして。『もう我慢できない!』と言って、煙草に火をつけると、母のほうに煙を吹きかけたんです。わざとではなかったかもしれないですが、母はとても苦しがっていました」