日本の少子化問題とは―ママを苦しめる風潮は15年前から変わっていない
当社のPURPOSE(目的と理念)は「マーケティングの力で日本の課題を解決する」なのですが、その中には勿論「日本の少子化問題」も含まれており、PRIMEはそこに最も近いメディアです。
仕事柄たくさんのママ達と接していますが、今乳幼児や保育園児を抱えるママ達が口にする育児の不安や辛さ、社会で感じるしんどさや理不尽さは、15年前の私が直面していたものとまったく同じです。
私自身は、意識せずとも「女性の社会進出」という言葉がなんとなく存在した時代に育ちました。実際社会に出てからも、自分も含め徐々にワーママが増えていった時代を目の当たりにしています。
しかし、女性たちが口にする悩みは昔も今も何一つ変わっていない。
ということは、少なくともこの10年以上、日本社会はこの問題に取り組んできたはずなのに根底をほとんど解決できていないということではないでしょうか。
「女性の社会進出」と「少子化問題」は不可分で、そこには家事や育児の問題も含まれます。
時短勤務など制度面は多少改善されているものの、そうした部分で苦しむ女性はいまだ多く、すべては女性ひとりひとりの葛藤の末、努力の上で成り立っているのが今の「女性の社会進出」の実体だと感ぜずにはいられません。
徐々に産後も働く女性は増えていますが、それは女性の価値観と覚悟が変化しただけ。
また、全体で見た時には男女ともに収入面での不安も大きく、共働きは当たり前だったり、そもそも子どもを作るまで至っていないケースもあります。
そんな多方面で不完全な状況の中、女性たちは働くこと、子どもを産むこと、産んで育てるという人生をかけた一大イベントの選択を迫られるのです。
女性学のパイオニアである東京大学名誉教授の上野千鶴子さんが放った
「どんなエリートの女性も子を持った途端弱者に転落する」
という言葉を私はずっと忘れられないのですが、社会的な転落のみならず日本の赤ちゃん連れの母親に向けられる不快感には最も恐怖を感じています。
電車内のベビーカーへの舌打ちにはじまり、妊娠中や子連れ女性に対する風当たり、逆手に取った暴力行為や痴漢などの犯罪まで。最近は子連れの男性がそれらを体験し、理解する人が増えてきているそうですが、パタニティハラスメントしかり先進国で子どもを持つ人がそんな経験をしていては日本の少子化は当然かもしれません。
そして自分がいざ母親として社会の一員になってみると、仕事や日常生活における産後女性を取り巻くそうした状況や、場合によっては当事者たちが割り切ってしまっている姿を目にすれば、若者たちが結婚や出産に足踏みしてしまうのも理解できてしまうのです。
一方で、出産や子育ては、それ以上に大きな幸せやポジティブなパワーもたくさん生まれます。
解決できない問題も未だたくさんあるけれど、「女性の社会進出」と「少子化問題」を語る上ではそうした側面も次世代にきちんと見せていかないといけないと、14年子育てと仕事に向き合ってきた今だからこそ強く感じています。
私の生きがいのネックになるものは私の一番愛するもの
突然ですが、私はK-POPと洋楽を中心に歌とダンスのエンタメが大好きで、推し達の現場を追いかけて世界中を旅するオタクです。世界のミュージカル、ゴスペル、アンダーグラウンドのラップバトル等も大好きです。
韓国はストリートミュージシャンからクラブDJに至るまでハマっており、今ではそんな海外の素敵なステージを追いかけながら毎月海外のどこかしらへ行くのが人生の楽しみ。言語の壁を越え、得てきたノウハウで命懸けで最前列に入り撮影したK-POPアイドルのステージをYouTubeにUPしたりしています。
各国の文化に触れ、オタクだからこそ叶う現地の人との交流が最高にエキサイティングなのです。
そんな海外遠征含めたアクティブな趣味を始めたのは6年程前。長女が小1、次女が年中の時です。
私にとって子供はとても大切です。子供が小さいうちは、彼女たちを置いて海外に行くなんて物理的だけでなく気持ちの面でも絶対できませんでした。
今では、彼女たちも成長し、喜んで留守番をしてくれるようになりました。しかし、そんな今の状況であっても、唯一無二の最高の瞬間に限って子供のことがふとよぎる。
最高に自分が幸せを感じる瞬間にさえ子供たちへの罪悪感がゼロにはならないという現実があります。
それでも私のここでしか得られない人生のときめきと輝きが間違いなくその瞬間にあります。それも私にとっては何にも代えがたい大切な経験と時間。
それを遂行するのに一番の壁は「家族」や「子供」なのです。 今でも私が好きなことをするのにネックになるのは一番愛している子供たち。
おそらく、それは私が彼女たちを心から愛しているからにほかならないのですが、母親という生き物が自分の好きなことを遂行するのは、愛情が深ければ深いほど物理的にもそして精神的にも一筋縄ではいかないのだなぁと14年経ってなお、実感しているところです。
それでも仕事、家族、趣味、すべてが満足に揃ってこそ私は私の人生を全うできる―。
人生の最後に後悔しないためには私も自分だけを大切にすることを捨てては絶対にいけない。
社会に貢献するビジネスマンであり、子供を愛する母であり、そして私は私にとって大切な「自分」なのだから。
まだ様々な葛藤を抱えながらですが、こうして自分を奮い立たせて、今日々をひた走っているところです。
自分の生き方を模索しながら様々な女性の人生とふれあいたい
さて、そんな経験を経て人生を再スタートさせようとする私が
「女性、会社員、ワーママ、ママ、アラサー、アラフォー、etc色んなスペックや壁を受け入れ、どう人生を後悔しないものにしていくか。」
そんなことを第二の人生のテーマにしようとしている時に、今の会社と出会い、さらに女性の生き方を応援するメディアに関わらせていただくことは大変光栄で、有難いことだと思っています。
こちらで私が長々と書き連ねたように、人の数だけ生き方、考え方があり、ストーリーがある。そしてそれはどれも正解でありかけがえのないその人だけの人生です。
私であれば、生まれてから青年期を経て、社畜時代、14年のワーママ生活、韓国文化や海外公演など…そこで得たすべての経験や知見ーそれらを「自分にしかない価値」「自分の属性やパーソナリティ」「得意分野」と前向きに捉え、掛け算することで普遍的で大衆的だった自分のあれこれをユニークで唯一のものにできるのではないか。
そして、そうしたカラーはきっと誰もが持っている。
ところが、一方で女性は結婚し、出産することで自分を失ってしまいがちです。それは出産と育児を主に担当する必然性と、大きな愛情からくる自己犠牲の精神にほかならないのですが、それも含めて本当に「自分の選択」なのか。その先にあるのは本当の笑顔と幸せなのか。
分からないまま、気付かないまま10年以上育児と仕事に費やしてしまう女性は多いと感じます。
また、私の世代は女性の社会進出の「中間の世代」なのです。 私たちより上の世代の働く女性は、いうなれば企業戦士ばかりだった。社会進出を果たし第一線で活躍している女性は、我々よりさらに厳しいフィールドで生き残った鉄の女たち。意識も高いバリキャリが多く、男性社会で男性に負けなかった人達です。
一方、下の世代となると、私達よりは売り手市場だったり、価値観として「ゆるキャリ」もOKな世代。
40歳を迎える今、上にも下にも共感できるロールモデルがいない。自分の50歳、60歳はどうなっているんだろう。誰でも一寸先はわからないけど、私達は「自分でもできそうな」ロールモデルが見つからない。
安定を好む女性にとって、子供を育てながらその道を探るのは常に不安と隣り合わせです。
そしてこの影響が私達世代には潜在的に実はあり、50歳、60歳になった時に働いていられるのか?収入を得られるのか?マミートラックの経験もあいまって、2人目、3人目をためらってしまう心理的側面が少なからず生まれてしまう。
またこうした不安を下の世代に見せてしまっていることも、若年層が子供を持つことにブレーキをかけてしまっているのではないかと思うのです。
だから私は色んな方のストーリーに触れることで、たくさんの気付きをみなさんと共有したいと考えます。聞き得た多様なストーリーをPRIMEで発信させていただくことで、伝えようとするものが誰かの人生を肯定し、誰かのヒントとなり背中をそっと押す役割を担えたらー
そんな思いで、メディア作りに関わらせていただいています。
提供・PRIME
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