彼と結婚して岡山県に嫁ぐことになったら、これからの彼との生活が楽しみな反面、結婚式事情やしきたりや風習が分からなくて不安…という花嫁さまも少なくないでしょう。本記事では、岡山県の基本的な結婚事情や、地域ならではのしきたりや風習に関してご紹介します。
みなさん、こんにちは!岡山県ご当地ライターの池田真由美です。
彼と結婚して岡山県に嫁ぐことになったら、これからの彼との生活が楽しみな反面、結婚式事情やしきたりや風習が分からなくて不安…という花嫁さまも実は少なくないのではないでしょうか?
本記事では、岡山県の基本的な結婚事情や、地域ならではのしきたりや風習に関してご紹介します。
岡山は結納を重要視している!
岡山は、他県に比べて結納を重要視しており、盛大に行われることが多いです。結納は花嫁の実家やホテル、料亭などで、両家の家族が集まって行われます。
結納品は5品目・7品目・9品目・11品目と奇数で揃えるのがマナーとなっています。主流は、目録を含めない5品~9品が一般的です。
正式な結納品は、以下の9品目です。
松:小袖料(こそでりょう):結納金
竹:柳樽料(やなぎだるりょう):お酒代。結納金の1割程度を目安に現金を包むのが一般的
梅:松魚料(まつうおりょう):お肴代。鰹節のこと
鶴:熨斗(のし):不老長寿の食べ物とされる縁起物のアワビを伸ばして乾燥させたもの
亀:寿恵廣(すえひろ):白無地の扇子で、「末に広がり、繁栄する」とされる縁起物
指輪:結美和(ゆびわ)と書く。婚約指輪のことで、目録に入れて贈る
高砂人形(たかさごにんぎょう):老夫婦の人形で、夫婦愛と長寿を象徴した縁起物。
子生婦(こんぶ):繁殖力の高い昆布で、子宝に恵まれるようにという願いが込められる
寿留女(するめ):花嫁が嫁ぎ先で長くとどまるようにという意味を込めた品
岡山ならではの結納に関する「しきたり」や「風習」4選
前述した通り、岡山県は結納を大切にする傾向にある方が多く、岡山ならではしきたりや風習があります。
岡山ならではのしきたりや風習には、以下の4つがあります。
新郎側から新婦側へ酒を贈る「樽入れ」
お互いに風呂敷を贈り合う「流し風呂敷・流し袱紗」
結納返しの呼び方「土産のし」や「返しのし」
新婦がご近所に配る「嫁菓子」
それぞれについて、詳しくご紹介します。
1. 結納前に新郎側から新婦側へ「樽入れ」が贈られる
岡山県では、結納をする前に新郎側が新婦側へお酒を贈る「樽入れ」と呼ばれるしきたりがあります。樽入れは、「酒入れ」や「手締め」と呼ばれることもあり、角樽一升または酒肴料を贈ります。
新婦側がお酒を受け取ることで、両家ともに結婚に合意した意味になり、樽入れをした際に結納を行う日時や場所などを両家で話し合って決めます。
最近では、樽入れと結納を同じ日に行うという形が増えているようです。
2. 新郎側・新婦側が風呂敷を贈りあう「流し風呂敷・流し袱紗」がある
岡山県の結納の特徴として、新郎側と新婦側で風呂敷を贈り合う「流し風呂敷・流し袱紗(ふくさ)」を行います。「流し風呂敷・流し袱紗」が岡山ならではの結納の最たる特徴です。
流し風呂敷・流し袱紗では、新郎側が赤い風呂敷、新婦側が紫色の風呂敷を使います。結納品の目録の上に「寿」の文字が入った風呂敷をかけて贈ります。
結納を簡潔化した略式結納を行う際にも、「流し風呂敷・流し袱紗」は欠かせないしきたりとなっています。
3. 岡山では結納返しを「土産のし」や「返しのし」と呼ぶ
新婦側から結納をいただいた新婦側は、お返しとして結納返しを新郎側に贈りますが、岡山ではこの結納返しを「土産のし」または「返しのし」と呼びます。
土産のしまたは返しのしは、新郎側からいただいた結納品よりも格を下げ、品数も少なくするのがマナーとされています。また結納返しとしては、結納金の1割程度を渡すのが一般的です。
4. 結納や結婚式のタイミングで新婦がご近所の方へ「嫁菓子」を配る
新婦側がお嫁に行く際にご近所の方へお菓子を配ることを「嫁菓子」と言います。
昔は花嫁が嫁ぐ際に花嫁衣裳を着て徒歩や馬車などで新郎の家まで行く「花嫁道中」が行われていました。その際に、花嫁を見るために集まったご近所の方に、挨拶を兼ねてお菓子を渡していたのが始まりとして、今では一部の地域で残っているしきたりです。
縁起の良いお菓子を選ぶことが多いので、割れやすいお菓子は避けた方が良いでしょう。地域によっては、嫁菓子に贈るのはこのお菓子と決められていることもあるんだとか。