数えきれないほどの立場の弱い未成年の少年たちを手籠めにしてきたジャニー氏ほどの非道ではないにしろ、芸能界の歴史を振り返れば現代の一般社会では到底通用しない日常がそこにはあったという。

「昭和の映画業界なんて、監督や主演クラスの人気俳優が共演する新人女優に枕営業を強要するのは日常茶飯事でしたからね。女優本人もマネジャーも所属事務所サイドも、銀幕の世界の常識としてそうした慣習を受け入れていた部分がありましたが……」(同大手芸能事務所のマネジャー)

 他方、音楽業界ではこんな伝統も。

「演歌、歌謡曲の世界では新人歌手が著名な作詞家や作曲家、人気歌手に弟子入りしてプロデビューを目指すというのはよくあるケースでした。ヒット曲を出すだけではなく、大物のお墨付きを得たり詞や曲を与えられることで初めてプロ歌手として認められるという風潮もありましたし。そうした弟子入りの多くは歌に関する技術を学ぶだけでなく、師のもとで身の回りの世話に励むといった形になるわけですが、生活をともにする中で男女を問わず深い関係になるなんてこともままありましたからね」(レコード会社の社員)