「女性=家事・育児」の思い込みは、女性の方が強い?

菅瀬さんによれば、コロナ禍、無意識バイスによって女性が家庭内で不利益を被っているケースがあるという。

菅瀬さん:外出自粛中に発動しやすいのは、「女性が家事・育児をやるべき」という無意識バイアスです。弊社の調査結果では「女性と家庭を結び付ける無意識バイアス」が、男性よりも女性の方が若干強く出ることが分かっています。

女性自身が「自分が家事をやらないといけない」と思い込んでいるために、余計な家事負担を背負ってしまっているかもしれません。

無意識バイアス

夫には頼らずに、自分ばかりが仕事の調整をして、自分だけが家事育児を背負ってしまう。そして実際に家庭が回ると、「やっぱり自分がやった方がいい」という思いがどんどん強化される……。

そんな悪循環から抜け出すためには、まずは女性自身が、自分の中に「女性=家庭」という無意識バイアスが存在すると自覚することが欠かせない。

菅瀬さん:「この家事は本当に自分しかできないのか?」と振り返り、分担できそうな作業・やり方を洗い出して、家族でどうするか話し合ってみるのもよいかもしれません。

もちろん男性も、「女性=家庭」という無意識バイアスによって、パートナーに家事を任せすぎていないか振り返る必要がある。特に、在宅勤務や外出自粛で、男性が家事や育児をする機会を強制的に得ている今は、無意識バイアスのコントロールに挑戦する絶好の機会だ。

「非常時だから、どちらか片方が家事を背負うのはしょうがない」と諦めるのではなく、こんな時だからこそ適切な分担ができるように、家族で話し合ってみよう。

 

判断を誤らないために「まずは心を落ち着ける」

無意識バイアス

無意識バイアスが発動しやすい今は、できれば大事な決断は避けたい時期。それでも、働き方や家庭の在り方を変えなければいけない人もいる。一体どうすれば、焦りや不安の中、後悔のない決断ができるのだろうか?

藤原さん:無意識バイアスの影響を遠ざけるには、まず心の安定を確保することが大切です。不安を和らげ、落ち着いた精神状態を取り戻すことで、冷静な判断が可能になります。

 

いても立ってもいられず行動してしまうのではなく、一歩立ち止まって心を落ち着けることで、無意識バイアスをコントロールすることができるという。

「心を落ち着ける方法はいろいろあります」と藤原さん。

藤原さん:デジタルに触れない日を設けたり、家族や身近な人と対話をしたりすることは、心の安定につながります。あえて空白の時間をつくってみることもおすすめです。コロナ禍で生まれた時間は自分へのプレゼントだと思って、あえて何もしないことも、平常心を取り戻すには有効です。

 

情報を集め、決断をするのはそれからでも遅くない。一度時間を贅沢に使って、心をフラットな状態に戻してみよう。

今の自分は平常心ではないかもしれないーー。そんなサインは、どうやって見定めればいいのだろう?

菅瀬さん:今は逆に、自分が平常心でないことを前提に動くのが正解だと思います。「自分だけは大丈夫」と考えてしまうのもまた、一つの無意識バイアスですから。

 

提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)

【こちらの記事もおすすめ】
年収400万円以上稼ぐ女がしている3つのこと
性格別!年収アップ方法とは?
自分ブランドを作るために大切なこと
クセのある上司への「的確な」対処法とは
給付金がもらえる人気の資格6選