キャスターの中谷は救急車を呼びながら逃げる車のナンバーを撮影する。ニノは逃亡者なので物陰に隠れる。たかおは近所の洋食屋にウチワエビをもらいに行く道中のはずなんだけど、なんか事故を見ても眉ひとつ動かさず、倒れて頭から血を流している蜜谷をじっと見ている。じっと見ているのだ、眉ひとつ動かさず。人がひき逃げされてるのに。何これ。普通に考えれば「シェフは何かを知っている」という伏線描写なのだが、ここに伏線が入る前触れが何もないので、何かのミスかもしれないと思ってしまう。
上記は単なる一例。ドラマ全般に必要最低限の設定の開示がなかったり、過剰に同じ説明が繰り返されたりしているので、見る側でいちいち整理していかないと、すぐ見失ってしまう。3人のパートがくるくる切り替わり、その切れ目がいちいち次のそのパートに謎を残すので、頭の中にためておかなければいけない情報が多すぎて楽しくない。こういうの、パートで謎を残すんじゃなくて、パートですべて解き明かした謎を次のパートに倒し込んでいくのが基本の作劇じゃないの? ちがうの?
というわけで、いっぱい書きました。ニノのパートについては、とにかく包囲網が張られた街をよく歩くし、犯罪組織にも警察に捕まりそうで捕まらないの繰り返しなので別にこれは楽です。
キャスター中谷は報道やりたかったのに勝手にクリスマス特集のVTR流されて不憫でした。
かろうじて、ニノとたかおがぶつかって2人のスマホが入れ替わったというミステリーだけが視聴意欲を保ちます。次回も頑張ります。
(文=新越谷ノリヲ)