──夢はあったんですか、子どものころ?

叶井 夢?

──いや、普通にプロ野球選手とか。

叶井 あ、そういうの、なんだろうね。全然ないと思うよ。何も考えてないんだって、だから。

──そんなわけないんだって、人なんだから。

叶井 その場がよければいいわけよ、今日がよければすべてよしなの。

──言ってることはわかりますけど。

叶井 10年後なんて想像つかんでしょ。将来何になるとかさ、こういう学校に行きたいとか、こういう仕事がしたいとかさ、ないよ!

──あるんですって。

叶井 その場がよければすべてオッケーだったんですよ、考えたことないもん、映画業界に入ったのだって偶然だし。職種を選んでさ、企業の面接行ったりするじゃん。したことないし、だから、なんだろうね、行き当たりばったりっていうの?