事業のリスクって?
2018年2月期連結決算で最高収益を更新したイオンですが、リスク要因もあります。企業の業績が悪くなれば、大抵の場合、株価は下がりますので、株主になったら次のことを注意して見ておきましょう。
小売業界全体が悪化するリスク
企業の業績が悪くなる原因は、企業そのものにある場合と外部要因の2パターンあります。後者でいえば、日本の小売業界全体が落ち込むようなことがあれば、イオンの業績も影響を受けるということです。
今後を見ると、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定ですが、一時的に消費が落ち込む可能性もあります。また、医療費や社会保険料の負担の増加、電力価格などの上昇、地震や台風といった災害に加え、テロなどが小売り業界に悪影響を及ぼす可能性も十分に考えられます。
企業そのものへのリスク
また、食品の安全性や品質の水準低下、成長戦略の停滞、仕入・流通ネットワークの障害、プライベートブランド商品の中心である「トップバリュ」に何らかの事故などが発生した場合などは、イオンへの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、業績が悪化する可能性もあります。
加えて、イオングループ事業の行く末が、岡田元也代表執行役社長ならびに経営陣の手腕に大きく依存していることもリスクの一つといえるでしょう。
業績やリスクについては、少々難しく感じるかもしれませんね。しかし、イオンをよく利用している人なら、最近お客さんが減ってきたな……といった黄色信号には気づきやすいのではないでしょうか。逆に、売り場に活気があり、業績が拡大していきそうだという肌感覚があれば、株の買い増しを検討するチャンスとなります。
イオンの株主優待と配当はどうなっている?
株主優待
1.優待カード(オーナーズカード)の発行
半期ごと(3月1日~8月末日の利用分は10月に、9月1日~2月末日の利用分は4月)に、買い物金額(100万円限度)に対して、保有株数に応じた返金率でキャッシュバック。
- 100株以上:3%
- 500株以上:4%
- 1000株以上:5%
- 3000株以上:7%
※イオンのほか、マックスバリュなどの系列店でも利用できる
※毎月20、30日のお客様感謝デーは支払い時に5%OFF
※株主本人カード1枚、家族カード1枚の計2枚発行
2.自社ギフトカード(長期保有特典、2月末日のみ)
- 1000~1999株:2000円
- 2000~2999株 :4000円
- 3000~4999株:6000円
- 5000株以上:1万円
- 1000株以上、3年以上継続保有が条件
- 2015年9月末~2018年9月末(3年間)=35周年用×2枚
- 2018年9月末~2023年9月末(5年間)=40周年用×4枚 イオンの株が人気である最大のポイントは、珍しい「キャッシュバック式」です。例えば、半年間(3月末~8月末)で50万円の買物をすると、
- 100株保有→50万円×3%=1万5000円
- 500株保有→50万円×4%=2万円
- 1000株保有→50万円×5%=2万5000円
3000株保有→50万円×7%=3万5000円 が10月に優待返金取扱店舗で返金してもらえます。
そのほか、オーナーズカードを提示することで、イオンシネマでは優待価格で映画が鑑賞できたり、一部の店舗にあるイオンラウンジが利用できるなど、お得なサービスが受けられます。
株主になってオーナーズカードをもらうには、2月末日と8月末日に100株以上保有している必要があり、それには、土日祝日、年末年始を除いた4営業日前までに株を購入しなければなりません。この期日を「権利付最終日」といい、2018年5月の現時点で次回のイオンの権利付最終日は2018年8月28日(火)です。
配当
2019年2月の配当予想は1株34円で、実際にもらえる配当金は100株で3400円。配当利回りは1.58%です。