この日は「ヤバいメンバーでトーク番組をやってみよう」の3週目。ランジャタイ・国崎和也ときしたかの・高野正成がMCを務め、ひな壇にはランジャタイ・伊藤幸司ときしたかの・岸大将に加えて、にゃんこスター・スーパー3助、本田らいだ~△、桐野安生、本多スイミングスクール、ネコニスズ・館野忠臣、牧野ステテコというメンバー。内容については多くを語らないが、コンプライアンス意識の求められる最近のテレビではすっかり見なくなった「死ねよお前まじで」という伏せ字なしのテロップが表示されたことが、この番組のスタンスを象徴していた。

 ランジャタイは、不思議なコンビだ。この日のスタジオでも、実に楽しそうだった。誰かが誰かのトークを遮って急にしゃべり出したり、誰かが無駄に動いてクダリを発動し、そのまま失敗したり、男性が女性に覆いかぶさって殴りつけたり(実際には殴ってません)、ひな壇が荒れれば荒れるほど、国崎はケラケラと笑い転げた。

 以前、ラストイヤーを終えたランジャタイ・国崎に取材で聞いたことがある。

「M-1で優勝したかったですか?」

「いや、まったく。決勝に行って、その後が楽しみで。これで全部できるって」

 やりたいことが、テレビで全部できる。取材中も終始ふざけていた国崎の目が、このときだけは少年のように澄んでいた気がした。

(文=新越谷ノリヲ)