日本の相場を考えると、アメリカなどのように一人当たりで億単位の補償額というのは現実的でないかもしれないが、当事者の会としては「数百万円レベル」で済ませる気はないだろう。少なくとも1000万円以上、おそらく数千万円クラスの補償額を求める方針とみられる。当事者の会の平本淳也代表は、先日出演したYouTube動画でSMILE-UP.について「総資産3000億円は下らない」と指摘。年間400億~500億円といわれるファンクラブ会費などの莫大な定期収入があり、赤字や借金もないとして、高額補償が可能であると暗に示唆した。当事者の会はSMILE-UP.に対して補償総額の予算を公表するよう求めており、ある意味で両者の間で駆け引きが展開されているともいえそうだ。
もし被害者の会が求める「海外レベル」の補償額となれば、当然ながら総額10億円どころでは収まらなくなり、最低でもケタがひとつ増えることになるだろう。また、故ジャニー喜多川氏はハワイでも性加害行為をしていたとして、アメリカでの訴訟を検討している被害者もいると伝えられ、そうなれば日本の相場よりはるかに高額の支払い命令が下される可能性がある。
今回の騒動によって、日本の性加害事件における補償額の相場は適正なのかどうかをめぐって議論が起きるという余波も生まれている。SMILE-UP.側は11月から補償作業をスタートさせるというが、補償額をめぐってまだまだ紛糾しそうだ。