■カゲヤマ「うんち」

このネタが大会通していちばん好きだった。というか『キングオブコント』史上でも上位に入るくらい好き。

しかも1本目で人間のガワを楽しむバカコントをやっておいて、2本目で内面の恐ろしさや不条理に訴えかけてくるという、鮮やかすぎるコントラスト。インテリジェンス、振り幅、正反対の方向性なのに2本ともカゲヤマのニンに合っているという周到さ。タバやん。が書き手として天才と称される意味がよくわかる。

「そのカギじゃない」「部屋が多すぎる」とか、ワードの部分でもう少し詰められる余地はある気もするけれど、往年の別役実とか、そっちの方面まで透けて見えてくるという、コントという枠からちょっとはみ出してる名作だと思う。

ちょっと設定脚本がすごすぎて、あんまり語れることがない。6回見た。これからも何度も見ると思う。ここまでの人たちが16年も日の目を見なかったという現実も怖ろしい。優勝してほしかった。というか、人間界の優勝。