要望書では「エージェント会社が、ジャニー喜多川氏の遺産に依存しない全く新たなる事業で生み出す利益に関しては、タレントの皆様の活動における権利と、支援されるファンの方々の利益のためにも、これを補償等の対象としない」と明言されているが、ジャニーズ時代から活動しているグループは大半が新体制にスライドするだけで、ふつうに考えれば版権等もそのまま移行するとみられるため、新会社の事業においてジャニー氏が関わっていないものはほとんどないのが実情だ。
さらに、当事者の会は「もしも新会社が各遺産を継承するのであれば、その利益の一定額を、被害者の補償および救済、更に、性加害の被害者を支援する団体、身寄りのない未成年者を支援する団体、経済的に恵まれない子供たちの就学を支援する団体などの、わが国の信頼できる慈善団体に寄付することにより、恒久的な社会貢献を実現されることを要望します」と希望。この要望書の通りになれば、新会社は売上の一部を「恒久的」に、被害補償や慈善団体への寄付などに充て続けることになる。
当事者の会といえば、副代表の石丸志門氏が10月初旬にライブ配信で、ネット上で「金目当てか」との批判があることについて「あえてここで言わせていただきたいのは、お金目当てです」と断言。さらに「これは高額請求をするために闘ってきたものであります。これまでの日本の判例に従ったような金額では納得しません。海外で起こった場合と同じレベルの金額を要求します」と、海外クラスの高額補償を求める方針を宣言した。石丸氏は「(抑止力として)性犯罪を起こしたらこれだけ痛い目を見るんだ、会社が廃業になるくらいなんだという前例をつくらないと」などと意図を説明していたが、インパクトの大きい「お金目当て」発言は波紋を呼んだ。
要望書には、これに絡んでいるとみられる項目もあり、SMILE-UP.に対して「被害補償の予算」を公表するよう要求。端的に言えば、「いくら払えるのか」を明確化したいという意図があるとみられる。