番組プロデューサーの佐久間宣行は、自らのラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)で、たびたび語ってきた。
「コロナが明けたら、絶対に西野vsひとりをやりたい」
2020年3月を境に、テレビバラエティの風景は一変した。新型コロナウイルスが蔓延し、あらゆる番組が自粛の影響を受けた。4K、8Kと高画質化していく現場の収録機材を嘲笑うかのように、ノイズだらけのリモート画面がお茶の間に並んだ。
スタジオ収録が再開されるようになっても、カメラはソーシャルディスタンスを保った出演者たちを不自然な画角で押さえるしかなかった。やがて距離が詰まると、透明なアクリル板が会話を遮った。
出演者が視聴者に直接語り掛ける報道や一部の教養番組は、この時点でコロナの影響から解放された。だが、出演者同士の関係性、会話のテンポが重要になるバラエティにおいては、まだ障害が残り続けていた。
それでも、視聴者は慣れるし、現場のプロたちは対処する。いつの間にかアクリル板の仕切りが当たり前になり、いわゆる“コロナ明け”を迎えるころには、アクリルなしで隣り合って座る出演者同士の距離に違和感を感じるほどだった。
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