『紅白』の出場者選考基準は「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」となっており、「今年の活躍」と「世論の支持」は具体的なセールスの数字が大きな意味を持つ。もしジャニーズから2組出場となった場合、1stアルバム、2ndアルバムと連続でミリオンセールスを記録し、5月にリリースした3rdアルバム『i DO ME』が「初週ミリオン」という驚異の売上を叩き出したSnow Manは確定的だ。CDセールス以外でも、冠番組がゴールデン進出したり、初のドームツアーが大盛況になったりと実績は文句なしで、NHK番組への出演も豊富なことから“貢献度”も申し分ない。
だが、もう1枠となると選定が難しい。2020年にSnow Manと同時デビューしたSixTONESが売上や実績からも順当に思えるが、なにわ男子の追い込みが目立っているのだ。なにわ男子は2021年にリリースしたデビュー曲「初心LOVE」が昨春の時点で累計売上90万枚(オリコンデータの合算)を突破したと伝えられ、ミリオン目前となっていた。しかし、近いうちにジャニーズタレントたちは新たに設立されるエージェント会社と契約する形になると発表されており、各グループは所属レーベルを移籍する可能性がある。もし移籍すれば、新たな所属先で再発したとしても累計売上は「集計リセット」となってしまうため、その前にミリオンを達成しようと猛烈な勢いでファンが買い増ししているのだ。実際にタワーレコードのランキングなどで上位入りする現象が起きており、デビュー曲がミリオンとなれば、実績的にSixTONESと肩を並べることになるだろう。
甲乙つけがたいバトルとなりそうだが、それ以前に「2枠確定」という情報自体が流動的な状況のようだ。2日のジャニーズの会見は一定の評価を得たはずだったが、その後に質疑応答で特定の記者を指名しないようにする「NGリスト」の存在が発覚したことで大騒動に。さらに9日夜、20年ほど前にNHKの音楽番組への出演を希望してダンスの練習に参加したという現在30代の男性が、NHK放送センター内のトイレでジャニー喜多川氏から複数回にわたって性被害を受けていたと告発し、NHKがその証言を看板番組『ニュース7』で自ら報道したのだ。
NGリストだけでも大問題だったが、局内で起きたとされる性加害について番組内では「放送センター内で深刻な性被害を受けたという男性の証言を重く受け止めています。番組の制作責任を持つNHKとして看過できない問題であり、今後出演者の安全や人権を守る取り組みをさらに進めてまいります」との厳しいコメントが出された。ふつうに考えると、局内で性加害が起きていたとなれば、ジャニーズタレントの『紅白』出場は絶望的だろう。