熟年離婚するなら、お金の計算は慎重に

熟年離婚となると、再就職が難しい状態で独り身になる方も多いです。そんなとき、お金がないと不安が増してつらくなってしまうかもしれません。「これでもか」というくらい慎重に、いろいろと情報収集を重ねて、お金について何度も考えるくらいがちょうどいいかもしれません。

具体的に試算する

「なんとなくそうだろう」という思い込みで済ませるのはNGです。本やインターネットで情報を集めたとしても、大事なのは「自分の場合はどうなるのか」です。

いくらくらいの財産分与を受けられそうか、年金分割の結果いくらくらい老齢年金として受け取れるのか、そのお金でどんな老後生活がいつまでおくれそうか、できる限り具体的な数字を挙げて何パターンかシミュレーションしてみるとよいでしょう。

熟年離婚は養育費などの話し合いが必要なくサラッと終わってしまう方も多いのですが、話し合いをしないことで自分にとって損になっている部分がないのか、事前に専門家に確認しておくと安心です。

老後に向けてお金と向き合い、見直す

「もう老後」と言うA子さんですが、人生この先まだまだ数十年続く可能性が高いです。今の状況を悲観しすぎず、お金とじっくり向き合って見直すチャンスと捉え、あきらめずに新しい生活に踏み出しましょう。

老後も月に数万円分でも働けるところがないかを探したり、生活コストをどこまで下げられるか挑戦してみたり、苦しすぎない程度に工夫をこらしてみたりするのも悪くないですよ。この先お金で困らずに済むよう、お子さんにも味方してもらいながら、できそうなことから少しずつチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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