コンビニ以外の業種でも実践されるドミナント戦略
ドミナント戦略という言葉を聞き慣れない人も多いかもしれませんが、コンビニ業界以外でもチェーン展開している大手企業でこの戦略を導入しているケースがあります。
「西松屋」のドミナント戦略
子ども服・ベビー服の大手チェーンである「西松屋」も、ドミナント戦略を実践していることで知られています。中期的な経営戦略として「できる限り隣接させて出店する」(決算資料より)としており、日本を代表するナショナルチェーンとしての店舗展開に力を入れています。
「スターバックス」のドミナント戦略
コーヒーチェーン大手の「スターバックス」は、本国アメリカでドミナント戦略による急成長に成功し、日本においても同様の戦略の実践によって見事にブランド確立を成し遂げました。特に都市圏でのドミナント出店に力を入れています。
「スギ薬局」のドミナント戦略
ドラッグストア大手の「スギ薬局」もドミナント出店に積極的な企業の一社です。特に中部や関西エリアでドミナント戦略を実践していることで知られ、新たに展開するエリアでも当初から多店舗展開を視野に入れて動いています。
優れた出店計画と資金力も要因に
ドミナント戦略で成功する大手チェーンがある一方で、この経営戦略が企業の成長を約束するというわけではありません。
特定エリアに集中して展開するとリスクも高まることから、仮に自然災害などでその特定地域が被害を受けると、グループ全体として大きな損失を出すことにつながるでしょう。前述のカニバリゼーションによる売上の食い合いを見越し、緻密な出店計画も求められます。
ドミナント戦略によるメリットと、売上を食い合うというデメリットのバランスをうまく調整できなければ、結果として近接する店舗がともに不採算店舗になってしまうことも考えられるでしょう。
セブン-イレブンもスターバックスもスギ薬局も、こうしたバランスを綿密に計算しながら出店計画を立てているんですね。
さらに多店舗展開が前提となるドミナント戦略は資金力が必要となり、中小企業ではなかなか取り組みにくいことも特徴と言えます。セブン-イレブンをはじめ、ドミナント戦略で成功を収める要因には優れた出店計画と資金力にもあると言えるでしょう。
他にもある?ドミナント戦略
街でよく見かける店舗はもしかしたらドミナント戦略を取っているかもしれませんね。セブン-イレブンのようにグループブランド全体で実施している企業もあるので、目に留まったお店があったら調べてみると、ビジネスや投資で新たな気づきとなるはずです。この出店戦略はカニバらないのか?考えてみてください。
提供・UpU
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