『源氏物語』の紫式部に、『枕草子』の清少納言。二人とも一条天皇の時代の後宮で女房として働いた才女ですが、そのキャラはかなり違います。

 現代女性でたとえれば、清少納言が「#春#あけぼの#朝焼けが好き#空が好きな人と繋がりたい#貴族垢フォロバします#後宮大好き」というタグともに空の写真をSNSにアップする陽キャのインフルエンサーだとすれば、紫式部はX(旧Twitter)に職場の愚痴を延々と書き続け、二言目には「出家したい」とつぶやくミドサーの陰キャOLといったところ。

 紫式部が女房として働いていたころにまとめた『紫式部日記』には、そんな彼女の「生きるの向いてない」つらみがこれでもかとぶちまけられています。

※令和言葉訳は『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む「紫式部日記」』(堀越英美著)をもとに作成しています