そして今回に限らず批判をしがちな人たちに伝えたいのだが、批判ではなくその感情を応援に変えるのはいかがだろう。今回の件で批判した人たちの心理として「このアイドルを助けてあげたい」という思いが根底にあったはず。助けるなら今回の敵役である運営を批判するのではなく、主人公であるアイドルを応援すれば「アイドルを助けたい」という思いは成就できるはずだ。誰かを批判したり、理路整然と自己主張するのはとても優越感があり、満足感も得られるだろう。
しかしそれよりも困っている人を助けて感謝された方がよっぽど満足感を得られさらに幸福感も感じられるはず。なのでこの「誰も傷つけないが大切」とされる現代においては、敵役である運営さんさえも傷つけてはならない。やられたらやり返すなんて前時代的発想なのだ。そもそも批判はやり返しではなく、新たな攻撃だ。必要なんてない。
しかも今回の件ではネタだとわかった上で「ネタだとしても給料0というのをネタにして面白いと思っている経営者の事務所に推しが所属してたら薄ら寒い」「これは間違ったSNSの使い方、伸ばし方なので真似しないように」とコメントした人もいる。これはもう批判ではなく否定だ。もっとも他人にしてはいけないことのひとつだ。
自分の考えを述べているように見えるが、誰かが生みだしたものをただ否定しているだけ。とても簡単な作業で、頭を使わなくても出来る。ただこういった否定コメントは受け取る側が正論に見えてしまう可能性が高く、楽して評価を得られるという自己肯定感爆上がりシステムなのだ。自己肯定感を上げるのはもちろん良いことだが、否定された人間は思ったよりも傷ついていることを忘れないでほしい。
ちょっと真面目過ぎる話になってしまったが、今回の投稿に対し応援も批判も否定も込みで、かなりの人に注目された。「りの」さんはあっぷろーでぃあに加入してまだ3ヶ月程度。ネットニュースにまで取り上げられるなんて十分すぎるプロモーションになったのではないだろうか。まさに運営サイドの勝利。ここまでの展開を見越してあの投稿をしたのであれば「こんな運営さんがいるからアイドルさんも大変ですね」ではなく、「こんな運営さんがいるからアイドルさんは頑張れるのですね」といったところだろう。
批判ありきで話題にする。これぞ時代に合った戦略。お見事。