◆専門家の指摘が入ったシーンとは
本作では有紗が軽度知的障害と自閉スペクトラム症を抱えていることもあり、専門家が監修している。専門家からはどういった指摘や意見があったのか。
北川氏は「実はほとんどありません。それだけ原作者のざくざくろ先生が障がいに深い理解を持って描き上げたからだと思います」と回答しつつ、「ただ、僕が覚えている限りでは一点だけ指摘が入ったシーンがありました」という。
「6話で有紗と岡村の勤務先の所長に誕生日プレゼントを送る予定だったのですが、その誕生日プレゼントが無くなるというシーンがあります。当初の台本では、有紗は先輩の湯川(尾上紫)がプレゼントをうっかり捨ててしまったことに気付き、『自分がやりました』と身代わりになる予定でした。
これについて専門家の方から、湯川がやったと気付くことも、咄嗟(とっさ)に空気を読んで身代わりになることも、直感的な力が必要になるため、それは有紗には難しいかもしれないというご意見をもらったんです。そこで、もしかしたら自分がやったかもしれないと、有紗が『自分がやりました』と告白する方向に台本を修正しました。
ちなみにこのご指摘も、あくまでも“有紗が”ということなので、全ての知的障害者や発達障害のある人に当てはまるものではありません」
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