また、同局ではジャニーズ事務所の新社長に就任した東山紀之が情報番組『サンデーLIVE!!』のメインキャスターを務めていたが、番組ではほとんど性加害問題を取り上げてこなかった。東山の社長就任に伴い、9月3日の放送をもって番組を降板していたことが発表されたが、降板後も性加害問題に触れず、一部では「ジャニーズ忖度を続けているのでは」との疑いの声が噴出している。

 こうしたジャニーズとテレビ朝日の強い結びつきを裏付けるものとして注目されているのが、発売中の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた「ジャニーズ劇場」計画だ。記事によると、テレビ朝日は東京・有明に通称「東京ドリームパーク」という巨大複合施設を2026年にオープンさせる予定で、その目玉として施設内にジャニーズタレントが年間約180公演を行うとされるキャパ1500人ほどの劇場が建設されるのだという。総事業費500億円に及ぶビッグプロジェクトで、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦が窓口を担当していると報じられている。

 これが事実なら、テレビ朝日とジャニーズは「ズブズブ」の関係だといえるだろう。だから音楽番組からジャニーズを排除せず、報道番組でも“配慮”があったのでは……と想像できなくもない。言い換えれば、NHKだけでなく民放でも音楽番組などからの「排除」が始まったジャニーズにとって、テレビ朝日は頼みの綱となりそうだ。

 もう劇場計画は止められないという事情があるのかもしれないが、ジャニーズに大逆風が吹いている中で関係をより強めようとしているテレビ朝日の選択は、どのように世間から受け止められるのだろうか。