バイデン大統領は現在80歳。誕生日は11月20日なので来年の大統領選の本選には81歳で臨むことになる。大統領選に勝利すれば、2期目の大統領就任式を82歳で迎える。すでにバイデン氏は歴代最高齢の大統領だ。歴代2番目のロナルド・レーガン元大統領が大統領職を終えたのが77歳だったことを考えると、バイデン大統領の2期目に米国市民が不安を抱くことも理解できる。

 カメラの前で、バイデン大統領の年齢を感じさせるアクシデントが相次いでいることも支持者の意識に影響を与えている。

 昨年6月18日、自宅近くで自転車に乗っていたバイデン大統領が転倒した。シークレットサービスを伴ってサイクリング自転車を走らせていたが、カーブで沿道の市民に声を掛けようとブレーキを握ったところ、バランスを崩して右側に倒れた。

 今年6月1日には、コロラド州の米空軍士官学校の卒業式に出席した際、ステージ上にあった機材を固定させるための小さな土のうにつまずいて転倒した。卒業生に卒業証書を渡した後、小走りで自分の席に戻ろうとしたところでのアクシデントで、シークレットサービスと空軍将校に抱えられて起き上がった。

 9月20日には、ニューヨークでの国連総会の行事でステージ上に一緒にいたブラジルのルラ大統領と握手するのを忘れてしまった。国際労働機構(ILO)のフンボ事務局長が労働者の権利についてスピーチしたが、労働者に近い立場の指導者としてバイデン大統領とルラ大統領がフンボ事務局長を挟む形で立っていた。スピーチが終わるとバイデン大統領はフンボ事務局長とだけ握手し、手を伸ばそうとしたルラ大統領との握手を忘れ、ステージから消えてしまった。