CMにおいても、木村を起用していた日本マクドナルドや日産自動車などは「ジャニーズとの契約更新はしない」あるいは「ジャニーズタレントを新たに起用しない」との方針を発表。いずれも現行のCMは継続されるはずだったが、マクドナルドはすでにアプリなどから木村のビジュアルを削除し、木村が広瀬すずと共演していたテレビCMも放映を止めたのか見かけなくなった。
一方、香取ら「新しい地図」の面々はメンバーそれぞれがソロでCM出演しているほか、3人でもサントリーのCMに出演中。サントリーといえば、経済同友会の代表幹事でもあるサントリーホールディングスの新浪剛史社長が「ジャニーズタレントの起用は、チャイルドアビューズ(子どもへの虐待)を企業として認めることになる」「体制が改善されなければ(ジャニーズタレントを起用した)番組からのスポンサー降板もあり得る」と、ジャニーズ問題に厳しい態度を示したことが話題になった。そのサントリーのCMに「新しい地図」が起用されているのは、ジャニーズ側にとって皮肉といえるかもしれない。
香取、稲垣、草なぎはジャニーズを飛び出してからメディア露出が激減し、ほぼテレビから締め出された状態が何年も続いた。ジャニーズからの圧力、あるいはテレビ局の忖度によりものともいわれ、一方でジャニーズに残った木村はドラマに映画にCMにと大活躍となっていた。
業界内では、そうした構図がジャニーズ性加害問題を発端に逆転しそうだと指摘されている。テレビ局側は「ジャニーズ忖度」を疑われないためにも、積極的に「辞めジャニ」を起用したいという思惑があり、「新しい地図」の3人はまさに打ってつけの存在で今後もオファーが相次ぐとみられるからだ。SMAP解散後に香取たちがジャニーズを離れた時、誰がこうなると予想できたろうか。一番驚いているのは、ジャニーズに残って「安泰」だったはずの木村かもしれない。