その一方で「タレントの方々は、ある意味で被害者であって、加害者ではない」と強調。さらに「タレントはモノではない。不祥事を起こした企業の製品の不買運動をするのとは違う。日々研鑽を積んでいる人たちの活躍の機会を長きにわたって奪うのは、それもまた問題がある」と述べ、CM撤退に加えてジャニーズタレントを起用した番組からのスポンサー降板を示唆する企業まで出現するなど、「ジャニーズ外し」が過熱する状況に苦言を呈した。

 ジャニーズ問題をめぐっては、経団連、日本商工会議所と並ぶ「経済三団体」のひとつである経済同友会のトップである新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)が、12日の定例会見で「所属タレントの起用はチャイルドアビューズ(子どもに対する虐待)を企業が認めるということ。人権侵害は認めたり看過できたりするものではない」と発言。ジャニーズとのCM契約を見直すのは当然であるとの立場を示した。

 16日付の朝日新聞のインタビュー記事では、新浪氏はさらに踏み込み、今後数カ月の間に事務所の体制が改善されなければ、所属タレントが出演する番組のスポンサーを降りることも「選択肢してあり得る」と発言。もしこれが実行されれば他社も追随し、スポンサーから敬遠されたジャニーズタレントはテレビから「追放」状態になるおそれがある。

 だが、当然ながら所属タレントたちに罪はなく、経団連の十倉会長は加速する「ジャニーズタレント排除」の流れにくぎを刺したといえそうだ。