◆ターゲットを追い込んでいく永野芽衣の負けない迫力
一方、杏子を演じる永野芽郁も負けてはいません。火事の心労から記憶を失くしてしまった母親と、まだ学生の妹・柚子(恒松祐里)のために、懸命に事件の真実を追う杏子。その長女がもつ清廉さと、真面目さ、芯の強さを、永野は見事に体現しています。
途中、心が折れそうになり、恐怖と戦いながらも、御手洗家に立ち向かおうとする姿は、実に美しい。話題の映画『マイ・ブロークン・マリコ』や『母性』などの熱演を経て、ますます高い表現力を身につけてきたと感じました。23歳という若さで、鈴木京香と対峙しても引けを取らない熱演を見せている永野。緊張感のあるふたりの競演こそが、この作品最大の見どころと言えるでしょう。
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