今年も5~6組の出場は確定的で、復活が噂される総合司会(2020年を最後に廃止)のポジションに放送中の大河ドラマ『どうする家康』の主演を務める松本、あるいは前年にスペシャルナビゲーターを担当した櫻井が起用されるのではと推測されていたが、性加害問題の拡大によって出場枠は大幅減となる可能性が高まった。
7日にジャニーズ事務所が会見で、創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害を認めて謝罪したものの、対応が不十分で「解体的出直しには程遠い」との評価が目立った。これを問題視した大手スポンサー企業が人権的な観点から「CM契約更新見送り」などを続々と発表する事態となり、公共放送であるNHKとしてもこの流れは無視できず、ムード的には「紅白の出場枠ゼロ」となってもおかくない状況だ。
ジャニーズタレントの番組出演について、日本テレビやテレビ朝日などは「変更なし」としているが、NHKは厳しい姿勢をとっており、「ジャニーズ事務所に所属するタレントの起用についても見直すべきだとのご指摘を受けています。NHKでは、出演者の起用については、番組の内容や演出に合わせて、ふさわしい人を選定してきましたが、今後は、所属事務所の人権を尊重する姿勢なども考慮して、出演者の起用を検討したいと考えております」とのコメントを発表。さらに、今月11日に『クローズアップ現代』で「“ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」と題した特集を放送するなど、ジャニーズとの関係を大きく見直す機運が高まっており、それも『紅白』出場枠の消滅を危惧させる要素となっている。
しかし、『紅白』は若者層へのアピールをジャニーズに頼り切っていたという面があり、いきなり出場枠をゼロにするのは難しいとみられている。一部業界内では、出場グループを2~3組程度に絞って「ジャニーズ紅白」などと揶揄されないレベルに出場枠を減らし、番組を象徴する司会ポジションからはジャニーズタレントを外す……というあたりが現実的ではないかと指摘されている。仮にそうであっても出場枠は半減するわけで、大きな変革となりそうだ。ただ、一部では「ジャニーズ事務所が出場辞退する可能性もある」との見方があり、そういう意味では「出場ゼロ」もあり得る。