◆カリスマ性とともに、虚勢や情けなさも感じさせる

『ハウルの動く城』より。ハウル。© 2004 Studio Ghibli・NDDMT
『ハウルの動く城』より。ハウル。© 2004 Studio Ghibli・NDDMT
 木村拓哉は誰もが知るスター俳優であり、唯一無二のカリスマ性を持っているが、演じる役ではどこか虚勢を張っているように思えたり、声が少し情けなく聴こえる場合も多いように思う。

 現在はAmazonプライムビデオで配信中の『レジェンド&バタフライ』で木村拓哉が演じた織田信長も、それこそがハマり役になったいちばんの理由だった。

『君たちはどう生きるか』の勝一も、『ハウルの動く城』のハウルもまた、自分本位の考え方をする、自意識過剰とも言えるキャラクターであるのだが、やはりカリスマ性とあわせて虚勢や情けなさをも感じさせる声と演技のバランスがあってこそ、「それだけでない」複雑な内面がうかがい知れるのではないか。