「所属タレントに罪はない」との立場から契約継続を表明している企業も少なからずあるが、タレント起用継続の方針と一部で報じられていたモスバーガーを展開するモスフードサービスは13日、「今後、明確な被害者救済と再発防止の取り組みが認められない以上、ジャニーズ事務所との契約は継続しない」と発表。Snow Manメンバーを起用したCMや広告展開について「できる限り速やかに変更」するとした。経済界の動きを受けて、モスのように追随する企業はさらに増えそうで、スポンサー企業の「ジャニーズ離れ」は加速していきそうだ。
そしてこのスポンサー離れの影響で、「ジャニーズ主演ドラマ」も今後厳しくなるのではとの見方が出ている。CM契約しているタレントの主演ドラマには、契約スポンサーが出稿することが多く、それを期待してテレビ局側がタレントを起用するケースが少なからずある。だからこそ、CM人気が高いジャニーズタレントはドラマで重宝されていたのだが、今回の騒動で多くのCM契約を失うことになり、そのアドバンテージはほぼなくなる。さらに、ジャニーズタレントが主演するとなれば、大手企業がCM出稿を敬遠する可能性があり、テレビ局としては非常に使いづらい存在となる。
間もなく放送される10月期のドラマなど、すでにキャストが確定・発表されている作品についてこれから変更される可能性は少なそうだが、今後の新たなドラマのキャスティングにおいては、ジャニーズタレントの名前が上がりづらくなるだろう。実際、木村拓哉は来年4月期のテレビ朝日木曜21時枠で主演ドラマが内定していると報じられているが、日産やマクドナルドの出稿が望めないのであれば白紙になる可能性もあるとの一部報道も出ている。代わりに山下智久や平野紫耀らジャニーズ事務所を離れたタレントによるドラマが今後増えていく可能性もあるだろう。
バラエティ番組などへの出演については「ジャニーズありき」で成立している番組が少なくないうえに、NHKが「事務所の姿勢などを考慮」とした以外は民放各局が「これまで通りの出演」としているため、すぐに大きな影響が出ることはないだろうが、こちらもスポンサーが拒絶反応を示せば将来的にどうなるかは分からない。
もしもCMが消え、ドラマが消え、バラエティが消え……となれば、ジャニーズ事務所が完全に崩壊してしまうおそれもある。ジャニーズに所属している限り仕事に制限がかかるとなれば、タレントが大量流出する可能性もあるだろう。そうなる前にジャニーズ事務所は本当の意味での「解体的出直し」を世間に見せることができるのか、今後も注目したい。