嵐の櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、Snow Manら多くのジャニーズタレントを起用していたアサヒグループホールディングスは、「ジャニーズ事務所のタレントを起用した広告や新たな販促は展開しない」と発表。同社の勝木敦志社長は11日付の「朝日新聞デジタル」の記事で、「取引を継続すれば、私たちが人権侵害に寛容ということになる」と述べ、マーケティングに影響が出る可能性があったとしても「人権を損なってまで必要な売り上げは1円たりともありません」と言い切った。
また、SixTONESの松村北斗を起用していたサントリーホールディングスも「被害者の救済策や再発防止策が十分であるとの納得いく説明があるまでは、ジャニーズ事務所との新たな契約を結ばない」と表明。12日には、同社社長で経済同友会代表幹事の新浪剛史氏が「現体制が、本当に真摯に反省してるのかどうか大変疑わしい」と厳しくコメントした。これは経済同友会の定例会見での発言だが、同会は経団連、日本商工会議所と並ぶ「経済三団体」の一つであり、経済界においてかなり大きな意味を持つとみられる。
このほかにも、木村拓哉がCMに出演している日本マクドナルド、同じく木村を起用している日産自動車、二宮を起用している伊藤ハム、Snow Manの目黒蓮らを起用しているキリンホールディングス、松本潤がCMに出演している第一三共ヘルスケアなどが続々と「契約更新見送り」「ジャニーズとの新たな契約は結ばない」といった立場を表明(日産は木村のCMにかぎり契約満了時に判断予定)。多くの企業は「現行CMは契約終了まで継続」という姿勢だが、花王は8月から始まったばかりのSexy Zone・中島健人を起用したCMなどを放映中止にし、公式サイトなどの動画も削除した。
国際的に展開している大企業にすれば、日本以上に人権問題に敏感だといわれる欧米などの海外へ向けたアピールとしても、ジャニーズ事務所との取引を継続するわけにはいかないのだろう。さらに、CM撤退ドミノが連鎖した背景には、先述したアサヒグループ・勝木社長による「取引を継続すれば人権侵害に寛容ということになる」という発言の影響力の大きさもあったとみられる。