アイネクライネナハトムジーク(伊坂幸太郎/幻冬舎)

仙台駅前で街頭アンケートに立っていた会社員の男は、ギターの弾き語りを耳にします。

同じように聴き入っていた女にアンケートに協力してもらった彼は、それがきっかけで交際するようになり、そんな2人の周囲にいる人々も、愛に悩み、めぐりあいを繰り返しながらさまざまな人間模様を織りなしていきます。

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOLなど、人生は、いつも楽しいことばかりじゃない、という人生のリアルな感じをうまく出しています。

でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こります。

情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。

明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集となっています!♡

それぞれの話がさりげなく繋がっていて面白さもあり、どの話もその先が気になるし、登場人物がみんな本当に愛おしくて、その先の幸せな未来を願いたくなるような小説となっています。