思い出せば今年3月には博報堂が自社制作の雑誌「広告」(Vol.417)の対談記事で「ジャニーズによるメディアの独占的コントロール」などの文面を、博報堂広報室長の判断により「ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮」として削除。世間からバッシングを浴びた。

「博報堂の対応は、社内でも悪手だったと不評でした。ともすれば毅然とした対応をとることで、電通を出し抜くチャンスだっただけに、あまりにも過剰な忖度をみせてしまった当の広報室長は閑職に異動するという話で社内ではもちきりです」(CMディレクター)

 ジャニーズ事務所と広告代理店は、個人的なつながりも深い。例えば嵐・櫻井翔の父親は電通の副社長をつとめたが、博報堂社内には、元ジャニーズJrの人間がいるのだ。

「元ジャニーズJr.の小原裕貴が、メディア部門の管理職として働いています。小原は、1990年代後期に嵐の櫻井翔や二宮和也らに並ぶ人気を集めながらも、学業に専念するために芸能界を引退した“伝説のJr.”。有名大学出身でないものの博報堂に入社できたのは、彼のバックグラウンドがあってこそ。以降、事務所とのパイプ役として社内で要職をつとめてきました。現在は、博報堂に席を置きながら関係企業の役員をつとめるなど、同世代でも抜きん出て出世をしている彼が、今後の博報堂とジャニーズとの対応のキーマンになることは間違いないでしょう」(前出・CMディレクター)

 テレビ局を始めとしたメデイアと同じく、広告代理店にも説明責任が求められている今。「伝説のJr.」はどう動くのか。