──お二人ともアドバイスに応える力とスピードがあったから売れたと。

純子:二人のように「これやってみたら?」という提案にすぐ応えられる子には、その次にやるべきことをどんどん指示できるようになります。100で投げたら500で返ってきて、1000で投げたら5000で返ってくるみたいな、質の高い指導ができるようになる。そういうことができる子たちはやっぱり成功してます。

 芸事の世界って、キラリと光る何かを持ってここに行きついたという人も多いし、「何がなんでもやるしかない」とがむしゃらにやってる人たちが何かを掴んでいってるんじゃないかなと思ってます。

──「自分にできることを何でもやろう」という気持ちとあわせて、「誰かに負けたくない」みたいな気持ちも強かったのかなと思うのですが。

純子:ほんまそれ。負けず嫌いなんやと思います。矯正ちゃんが前に誕生日プレゼントと一緒に手紙をくれて、「お誕生日おめでとうございます。お互いこの世界はいつくばって生きていきましょうね」って書いてあったんですけど、めちゃめちゃ良い言葉やなと思いました。この言葉からも負けず嫌いは伝わりますからね。

 でも「てっぺんとります!」と抽象的な宣言されるより「絶対に負けたくないです!」って言われる方がわかりやすいですし、その結果としておじゃすと矯正ちゃんは人生そのものがコンテンツになってます。そういう力はタレントだけじゃなくアイドルにも必要やと思います。

 かなり昔にはなりますが、ファーストサマーウイカに歌唱指導していた時も、彼女は誰にも負けないとばかりに練習を積み重ねていて、結果的に指導していたアニソンを武器に上京、当時の事務所に合格しました。負けないための準備は大変だったでしょうが、完璧だった例として記憶に強く残ってます。あと、彼女も最後に「先生の事、人間として好きです」という簡潔な文章が書かれた手紙をくれましたね

 それにアイドルの運営さんたちと話していて思ったのですが、成功しているグループに関わってる人たちには負けず嫌いな人が多いです。