◆イギリスでは「子どもと1日2時間以上接する仕事」が対象

電車通勤02
 加えて、性犯罪の被害リスクは一見安全なように思える環境にも潜んでいることを忘れてはいけません。

「例えば学習塾の場合、集団指導やオンライン授業は比較的リスクが低いと感じる人も少なくありません。しかし、たとえ生徒と直接会わなくても『わからないところがあったら教えてあげる』という言い分で講師が連絡先を交換してチャットでわいせつな動画や画像を送らせたり、オンラインミーティングサービス上でハラスメントをする事例も発生しています。こうしたケースでは、子どもは自宅にいながら間接的な性被害に遭ってしまうのです」

 では、実際に子どもを性被害から守るため、どのような仕組みが有効なのでしょうか。

「日本版DBSの制度設計をするうえで、職種また有償・無償、そして対面・非対面に限定せず、子どもと接する時間の長さによって対象者を判断するようなシステムを導入すべきだと思います。

 イギリスでは、18歳未満の子どもと1日2時間以上接するサービスに従事することを希望する人は、無犯罪証明書の提出が求められます。日本でも時間ごとで判断するような仕組みを導入することで、幅広いケースをカバーでき、子どもにとってより安全な環境を確保できるのではないでしょうか」