◆日本版DBSの検討は「キッズライン事件」がきっかけ

斉藤章佳氏
斉藤章佳氏
 イギリスで約10年前から実施されている犯罪証明管理システムを参考とする、日本版DBS。その導入の検討が本格化するきっかけの一つとなったのは、2020年に発生したベビーシッターマッチングアプリ「キッズライン」の登録シッターによる強制わいせつ事件です。

 保育中の子どもに対するわいせつ容疑で逮捕されたシッターは、前職でも同様の事件を起こしていたことが明らかになったことで、大きな波紋を呼びました。

 こども家庭庁が公開している資料によると『小児性わいせつ型の性犯罪に及んだ者の中に、複数回の刑事処分を受けているにもかかわらず、同じく小児性わいせつ型の性犯罪を繰り返す者が一定数存在することが認められる』状況があるといいます。

 そんななか、性犯罪歴のある人が学校や保育などの現場で就労できないようにする日本版DBSは、性犯罪の再犯防止を目的とする施策として検討されています。