さらに第8話の内容は、視聴者に余計にジャニーズ騒動を想起させるものでもあった。
「第7話で木村演じる莉湖は、父親の殺人事件のもみ消しに加担していた事実を知り、『逃げるわけにはいかない』と事務所を畳む覚悟で沖野島を訴える決意を固めるものの、副社長の安原(西村まさ彦)が現れ、自分は新会社を立ち上げて独立し、プロダクション曼珠沙華のタレントと従業員を移籍させると宣言。櫻井の訴訟で莫大な示談金が予想され、プロダクション曼珠沙華の経営は沈むと予想したからと言い放ちますが、実は副社長は沖野島の6年前の事件の真相を知っており、櫻井の事件が大ごとになると先代社長のもみ消し関与が露見する可能性を危惧していた。この動きはまるで、ジャニーズ事務所の副社長だった滝沢秀明氏のようだと注目されました。今年3月にジャニーズ事務所創業者の性加害疑惑を特集した英BBCがジャニーズ側に取材を打診したのは昨年の8月18日で、ジュリー氏が取材を断ったのが9月8日。そこから1週間ほどで滝沢氏は辞任と退社の意向を表明したとされ、10月いっぱいでジャニーズを去りました。そのため滝沢氏には、創業者の性加害疑惑が大問題になると踏んで独立しようとしたのではとの見方が一部であるんです。もっとも、新事務所関連のドメイン取得時期からして、7月には独立の準備を進めていたと見られていますが」(同)
西村まさ彦演じる副社長の安原は、滝沢氏ではない別の人物を思わせる部分もあるという。
「5日付でジャニーズ事務所副社長を退任した白波瀬傑氏ですね。先代社長の時代から事務所の広報担当を務めており、メディア対応として“アメとムチ”で圧力を掛けていた主要人物の一人といわれています。ドラマの安原も先代社長の頃から勤める古参幹部で、櫻井の自殺未遂の原因に沖野島が関わっていたことから早くから事態収束を図ったり、看板女優・絹代のスキャンダルが報じられ『何が何でも謝罪会見を』とつぶやくシーンもあるなどスキャンダル対応が目立ちます。莉湖たちによる告発を潰すためにテレビ局を利用する老獪な手口も印象的でしたね」(同)