もちろん、ただ愛しているだけでは「マスター」とは呼ばれないだろう。その呼称が成立しているのは、彼が長年の努力の果てに、文字通りファンクを「マスター」していると言えるところまで到達しているからだ。

 彼は自らファンクを作詞作曲するだけでなく、歌い、ギターやベースも弾きこなす。Kinki Kidsで歌っている堂本剛の姿からは想像もつかないが、驚くべきことに彼のファンク・ギターやベースの腕前はもはや、一流のスタジオミュージシャンと同等のレベルに達しているのだ。

 何十年にもわたる鍛錬によってファンクをマスターした男、それが堂本剛であり、そして彼のファンク・プロジェクトが「.ENDRECHERI.」なのである。

 現在、.ENDRECHERI.は日本を牽引するファンク・アーティストとなり、世界にその名声が届き始めている。昨年初頭にはファンク専門の米音楽メディア「Funkatopia」が選ぶ「2021年のファンク・アルバムベスト20」に、.ENDRECHERI.のアルバム『GO TO FUNK』が選出された。

 また堂本剛は今年の5月13日、『LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023』にて憧れのファンク・レジェンド、ジョージ・クリントン(P-Funk)のステージにギターでゲスト参加を果たした。この共演によって彼はジョージが認めた「P-Funkの一員」になり、名実ともに世界的なファンクマスターになったとも言えるだろう。