さて、次は歩くスキャンダルといいたくなるような人物といえば、そう、デヴィ夫人である。今回は、慈善団体「アミチエ ソン フロンティエール」を巡る金銭トラブルだと文春が報じている。ここは社交パーティで集めたお金を国連機関に寄付することが目的で、モナコに本部があるそうだ。その日本支部が今回の舞台である。
ここは、代表だった女性がトラブルを起こし、幹部全員を連れて辞任し崩壊寸前だった。そこで、知名度がありアミチエの名誉職にいたデヴィ夫人を代表理事に据えて再出発したそうだ。しかし、直後からデヴィ夫人は、アミチエの乗っ取りを企てていた形跡が散見されるという。まず11月、デヴィ夫人はアミチエジャポンの所在地を自身の別宅に移転。また自身の個人事務所スタッフに事務作業を担わせつつ、「モナコとの決別」を宣言するのだ。
これは、デヴィ夫人によるアミチエの私物化の始まりだったという。
「当初、夫人はモナコの創始者マダム・レジーヌから託されたと語っていたが、一転して『モナコとは別れる』と言い出した。そして団体のロゴから『MONACO』を削除をしたのです」(辻井ショーン理事)
こうして団体をモナコの本部から独立させたデヴィ夫人は、水面下でもう一つの手続きを進めていた。代表理事の正式就任より前の8月末の時点で、アミチエの商標登録を個人で出願していたというのである。さらにアミチエの資金の私的流用問題が起きるのだ。
今年の1月下旬、デヴィ夫人はウクライナを支援するとして訪問。訪問時の様子は、新聞やテレビでも報じられた。しかし、アミチエ内部では、ウクライナ訪問にかかった経費についてトラブルが勃発していた。
「帰国後、デヴィ夫人は、ウクライナの渡航費用や物資輸送費用などを、アミチエから捻出せよと主張してきたのです。しかし、ウクライナ渡航はあくまでも夫人の単独行動です。事前にアミチエの金を使うと知らされていないし、メディアのインタビューやブログでも、アミチエの『ア』も一切出ていない。会員の年会費(三万六千五百円/人)からなるアミチエの資金を払うことは躊躇われました」(同)
デヴィ夫人はアミチエをお財布扱いし始めたというのだ。理事らは苦肉の策として、3月の理事会で物資輸送費335万円の支出を認め、事後決済は今回までと念押ししたという。だが、文春がデヴィ夫人を直撃すると、「あなたがた、恥をかきますよ」といいながら語り始めたという。
ウクライナ渡航費等に公私混同があった?
「とんでもない。みんなでOKしたものです。言ったらアレですけども、ほんの少しのお金です」
彼女にとってはほんの少しだろうが、我々庶民には途方もない額である。どちらのいい分が正しいというより、そういう感覚の女性を祭り上げた方が世間知らずで、罪は深いような気がするのだが。