さて、今週の第1位は、可愛いワンコやニャンコを「売って」儲けているペットショップの内情を告発している新潮に捧げたい。私も犬が大好きだ。昔は近所で犬が生まれると、犬好きのところへ声をかけ、もらってもらったものだった。 ペットショップで買うのは由緒正しい血統の犬で、我々には縁がなかったし、そんなところで買おうとは考えたこともなかった。
だが、犬好き、猫好きは多く、そこに売れれば儲かると「大量生産」するショップが出てきて、犬猫は多大な利益を上げるモノでしかなくなってしまったのだ。ここで取り上げているのは日本最大で、200以上の店舗と、海外にも店舗を持つペットショップ『Coo&RIKU』(以下クーリク)である。
新潮によれば、今年6月、20代の女性が木更津店(千葉県)で購入したミックス犬(異なる純血種を掛け合わせた犬)は、引き渡し当日から体調を崩し、2日後に入院。獣医師から『寄生虫に蝕まれていて瀕死の状態』と告げられた女性は店に連絡した。すると店長に『治療費は払えない。犬の交換ならできます』と突っぱねられたという。
また、昨年5月、久留米店(福岡県)でマルチーズを購入した40代女性が訴える。
「購入した翌日の夜に下痢と痙攣で“瀕死”の状態になり、慌てて夜間動物病院へ駈け込みました。獣医には“寄生虫症と低血糖症であと数分遅れていたら死んでいた”と言われました。なのに、そのことをクーリク本部のカスタマーセンターに伝えても“二度と起こらないようにいたします”というばかりで……」
病のある犬を売りつけ、何か起こったら交換する、今後注意するという。これが事実だとしたら真っ当なペットショップとは思えない。
「今に始まったことではありません。この会社は命を取り扱っている意識が希薄で、利益至上主義に支配されているのです」
こう語っているのは元社員の1人である。クーリクの創業は1999年。大久保浩之社長(44)が20歳の頃に、埼玉県草加市に開店した個人ショップが始まりだという。埼玉県でペットショップというと、1996年に起きた「愛犬家連続殺人事件」を思い出すが、まあいいか。
目先がきいたのであろう、その後、安売り路線でチェーン展開に成功した。昔は客寄せのために広告で100円セール1万円大セールなどとやっていたという。2010年には30店舗を超えるまでに成長するも、約1億8000万円の所得隠しが発覚。同社と大久保は、東京国税局から法人税法違反(脱税)容疑で東京地検特捜部に告発されている。
「事件直後、大久保さんは一旦、母親に社長の座を譲りますが、15年に返り咲く。母親が社長の間も実質トップは大久保さんで、拡大路線を突っ走ってきました」(元社員)
その後も拡大は続け、売り上げ266億円(22年度)を誇る、日本最大のチェーンに上り詰めたのである。しかし、初めて繁殖現場を見たとき、そのおぞましい光景に絶句したと、元社員が振り返る。
「交配を嫌がるメスもいるのですが、噛まれないようタオルを首元に巻いたり、2、3人がかりで押さえつけたりしてオスと交尾させるのです」
繁殖場はゴキブリだらけだった。夜間に明かりをつけると、天井から何十匹とそれが降ってきたそうだ。
「ネズミも毎日、2、3匹は捕獲されるくらい、そこら中を走り回っています。そんな不衛生極まりない環境の中、妊娠した母犬が毎日20~30匹ほど産室でお産を迎えるのです。広さは20から30畳くらいで一頭ごとに空間が仕切られていますが、常時、けたたましい鳴き声が響き、落ち着いて出産できる環境じゃない。母体へのストレスは大きく、産みはしたもののネグレクトしたり、果てはわが子を食べてしまう母犬もいました」(同)
こうした購入者からのクレームや環境の汚さについて、クーリク側は、顧客とのトラブルについては、久留米店での件は協議中としながら、その他は「解決済み」と答えている。
大量生産については、
「施設を増やし、個別に愛情をもって飼育できる環境整備をしております。施設数を増やしたことを大量生産とする表現は、事実誤認であり誇大表現です」
と答えた。
命とは人間が恣意的に量産していいものではない。私は、犬や猫を「売る」「買う」という心理がよく分からない。新潮はこれまでも、保護犬の悲惨な状況やペットショップの金儲け主義を取り上げ、批判してきた。この業界を浄化するために、まだまだ追及してほしいと思う。できれば、犬猫病院の実態にも迫ってほしいと考えるが、どうだろうか。(文中敬称略)
【巻末付録】
まずはポストから。
袋とじ「山崎真美、この劇的なる女。」「初フォトグラビアで波に乗れ! 美人弁護士・森詩絵里」
「あまつまりな 湿った夏の円熟」
お次は現代。
「小沢真珠 挑発する女」だけ?
というわけで、SEXYグラビアから遠ざかっていく現代、今まで通りにSEXY万歳のポストとでは勝負にならない。ポストの圧勝。