そこで期待されているのが、人気シリーズ『コード・ブルー』復活の可能性だ。同シリーズは2018年の劇場版でストーリーに区切りがついたが、いまだに続編制作を熱望する声が絶えない。劇場版にはジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長やジャニーズの関連会社であるジェイ・ストームが製作に名を連ねており、山下がジャニーズを離れたことで続編は絶望的だとみられていた。さらに、同シリーズの西浦正記監督と増本淳プロデューサーがそろって2019年にフジテレビおよびフジテレビ系列の制作会社を退職している。

 だが、ツアーファイナルとなる9月3日の横浜・夜公演には新垣結衣、比嘉愛未ら『コード・ブルー』の共演者たちの目撃情報もあり、コンサートの演出からして、制作スタッフも招待されていたのではとも考えられている。山下はコロナ禍の2021年、ドラマのロケ地となった日本医科大学千葉北総病院は高度な救急治療処置の訓練用シミュレーターの購入費を募るクラウドファンディングへの協力を呼びかけるなど、同シリーズで生まれた縁を大切にしている。

 そして山下とジャニーズの関係が良好で、なおかつジャニーズのトップ交代などで今後体制が大きく変わることを踏まえると、可能性はゼロとは言い切れない。フジテレビはCMによる放送収入が落ち込んでいる一方で放送外収入は伸びており、映画事業が好調だ。ドル箱である『コード・ブルー』シリーズの復活はフジテレビ側としても着手したい企画だろう。山下がわざわざ主題歌をカバーし、共演者との写真を演出に使ったことから「続編匂わせでは」と期待するファンもいるようだ。もっとも、共演者の戸田恵梨香は昨年11月放送の『日曜日の初耳学』(TBS系)で『コード・ブルー』の続編について「あったとしても、(設定上)私と山下くんはいないと思います」「すでに山P、何回帰ってくるんだよってぐらい帰ってきてるんですよ。(海外に行ったのに戻ってくるという設定が繰り返されると)また?みたいな(ことになる)」と否定的なコメントをしており、出演者の間ではすでに「完結した」という思いが強そうだ。

 いずれにしても、ジャニーズをめぐる状況の急激な変化によって面白い立ち位置になってきた山下。ジャニーズともTOBEとも壁がなく友好関係にあり、国内外を自由に飛び回れる彼こそが、ジャニーズ界隈における台風の目になるかもしれない。