◆毎朝、子どもより早く出発して「旗振り当番」

小学校 旗振り
「私がPTA役員になったのは、クラスの保護者に立候補者がいなかったからです。誰もが逃げるように息をひそめる、あの沈黙の時間がものすごく苦手なので、沈黙が起きる前に手を挙げました」

そう話すのは小学5年生の子を持つ田中恵美さん(仮名・38歳・パート勤務)。子どもが小学4年生の時に1年間、PTA役員を務めた経験を語ってくれました。田中さんはPTAの仕事の中でも「校外委員会」に所属し “旗振り当番”のまとめ役を担当したそうです。

「旗振り当番って、子どもが通学する時間に旗を持って立つので時間的には結構厳しかったですね。子どもには鍵を持たせて、朝8時に家を出るように言い聞かせました。中には親と一緒に登校させる方もいましたが、私はまとめ役だったので朝7時半には待機や諸々の確認をしなければいけなくて……平日の朝は子どもより早く家を出ていました」

 田中さんにとって、玄関先で自分の子を見送れない日々は体力的にも精神的にも負担だったようです。中でも真夏の炎天下での旗振り当番は、相当ぐったりしたそうで、家に帰ってもなかなか家事ができなかったと言います。